
春を告げるものといえば桜ですが、
この冬、毎年とても楽しみにしていた桜が
切られてしまいました。
お墓の中の一本桜。
おそらくソメイヨシノとは違う趣きで、
寿齢もかなりと思しき、とても立派な桜でした。が、
一瞬にして町から消えてしまわれた。
言いようのない虚無感。本当に残念。

スタジオ前のケヤキ並木もなくなってしまった。
こちらは引越しだそうですが、
スタジオから季節を感じさせてくれる大切な景色。
特に芽吹きの季節は、若葉色の風が見えるようで好きでした。
やはり寂しい春です。
そんな”木ロス”ぎみな私のもとに先日、木からのギフトが届く。

ラジモ!でご紹介した「小谷樹液プロジェクト」。
小谷村の森のイタヤカエデの樹液を、メープルシロップの精製など、
地域の資源として活かせないかと立ち上げられたプロジェクトです。
カブトムシがべろんべろん舐めている
どろんどろんの樹液のイメージとは違う、水のような樹液。
ほとんどが水分で、糖分は2~3%。
飲んでみるとほんのり甘く、鼻に抜ける芳醇な木の香り。
喉で森林浴を楽しむ感じ。
これがカエデの幹の中を流れているのかと思うと、
ほんとに木の血というか、命のカケラを頂いている気持ち。

これを使って、カレーを作ってみるといいよと聞いて作ってみた。
水なし。樹液だけで作ったカレー。
口当たりがほんのり甘くて、後からスパイスが香る絶品カレーに!
樹液だけで淹れた紅茶もとてもおいしかった。
小谷のイタヤカエデのみなさんからパワーを頂いた心地です。
ちなみに、我が家の家族の名前の漢字には
全員「木」がつくことに今年の年賀状で気づきました。
これからも木のみなさんとの縁を大事にしたいと思います。
Posted by 小林新 at
19:27