久々電車にのった。
窓の外に延々と過ぎ去る畔道を眺める。
 

 
カラカラの畔。
雪でべしゃべしゃになった畔。
川沿いのしっとり畔。
未だ真っ白な畔。
 
畔がすきなのである。
特に、冬の終わりの畔がすきだ。
 
実家はぐるり田んぼで囲まれていて、
わたしは小さいころ、また青春モラトリアムのさなか、
その田んぼの畔をあてもなく歩いた。
 
特にこの時期の畔は、
雪とからっ風でぺちゃんこになった枯草の下に、
春が息を潜めて登場の頃合いを図っている。
緑の葉が一枚、二枚とモノトーンの畔に増えていく。
それだけで、春の息吹を感じて嬉しくなった。
 
やがてオオイヌノフグリ、タンポポ、ホトケノザ、オドリコソウの
青、黄色、紫や赤の大群落が畔を覆い、
花を踏まずにどこを歩いていいかわからなくなる頃には
本格的な春である。

そんな環境で育った私にとって
畔は季節を感じる一番身近なものだった。
 

 
風はまだ冷たいが、
ここの所、日差しはどことなく春だ。
  
松本から長野まで連なる畔と土手の中に、
微かな春を感じた。
     
  
   

Posted by 小林新 at 17:17
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小林新
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