恒例の、しわっす。
さて今年も12月。ですね。
いろいろと”今年振り返り系話題”が増えてきました。
それに乗じて、ここらで一旦、個人的に振り返ってみますと、
今年は本当に”食堂ロス”な年でした。
ほんごうとみよしたうちやみやまえいらくかずのやetc…
片手では足りない”まちの宝”というべき食堂や食材店が
相次いで暖簾を下ろされました。
「さみしい」という気持ちはもちろんありますが、
それよりも、ウン十年に渡り日々身体に鞭打って
一途な手仕事を提供されてきた様子を感じてきたので、
「おつかれさまでした」という気持ちが勝るところ、であります。

その中のひとつ、FM長野からもほど近い「食堂一の家」さん。
今年の秋、半世紀に渡る営業を終えられました。
入社当時から何度も通った食堂であります。
その晩年は暖簾もないぐらいお忍び感抜群で、
植木やら洗濯機やら自転車やらが並ぶ入り口までの長いエントランスは、
実家のような食堂空間へと誘うタイムトンネルのようでした。
そんな食堂の営業中か否かのひとつの目安になっていたのが、
道路の面した場所に掲げられた「幟」でした。
幟が出ていると、営業中。
赤やオレンジ色のカツ丼、ラーメンといった目立つ幟でした。
早めに閉まることや「都合によりお休み」も時にあるこちら。
いつも、「今日はやっていますように」という祈りを胸に、
その幟を探して、歩くのです。
電話も出来ますが、そう遠くもないですし、とりあえず歩くのです。

いくつかの角を曲がり目で追うは、
風にはためく、幟。
(・・・! あぁ、、、ある。。。)
そのときの、じわりくる幸せ。
幸福の黄色いハンカチを目にした高倉健さんは、
きっとこんな気持ちだっただろうと想像する。
この場所に幟が出る日はもうないのだなぁと
閉店の数日前に撮った写真です。
ごちそうさまでした。