栄村は今。

小林新

2011年04月13日 20:52

  
  
今日、県北部地震の被災地、栄村に取材で入りました。

これまで番組でも被害状況などを伝えてきましたが、
実際あった光景は、想像していた以上の、悲惨な状況でした。
    
     

  
  
未だ2m近く雪が残る栄村。
被害の全容がわかるのは、雪解けの後です。

特に被害が大きかった青倉地区を歩きました。 


上の写真のように、各所で雪に亀裂が入っていますが、
こうした場所は、おそらく地面(田んぼ)にも亀裂が入っているだろうとのこと。
亀裂の入った田んぼは水が抜け、使いものになりません。
田畑の被害状況を村民の方は大変、心配されていました。
亀裂の先にあるお宅も、大きく傾いています。  
   
  
倒壊していない家は、一見、被害のないように思えますが、
一歩、家の中に入れば、その被害の甚大さがわかります。
   
   

 
  
見せて頂いたこちらのお宅は、
二階部分が一階に完全に落ちていました。
住人の方は、二階の倒壊を免れた場所にいて、無事だったようです。
全壊していなくても、住める状態でないお宅が、かなりありました。    
    
  

  
 
4月に入り気温も上がり、本格的な雪解けが始まっています。

大規模な土砂崩落のあったこちらの現場(中条川)は、
雪解け水と共に土石流の恐れがあり、警戒されています。
写真の現場も、震災前と比べて10mは土砂が積もっているとのこと。
  
   
 
 

そんな栄村も、春を迎えています。  
雪が解けた田んぼの土手には、
無数のふきのとうが、力強く、花を咲かせていました。
水路には、豊富な雪解け水が音を立てて流れています。
 
「これが栄村の“春の音”なんだ。だけど今年はこの音を楽しむ余裕がないね。」
 
そう、村の方がおっしゃっていました。
  
  
しかし。状況は見えなくとも6月の田植えに備えて、
苗作りを始めるんだ、という人がいました。
笑うしかないね、と前を向いて頑張っている人がいました。
  
元の暮らしに皆さんが戻れるまで、これから長い長い時間がかかることを、
現場を見て、改めて感じました。
  
   
個人として、ラジオとして、
これからどんな応援ができるのか、考えています。